vol.7企業の強みや魅力を適切に表現し、人の行動を促すライティングを
- Date:
- 2022.09.20
- Name:
- ふじかわ 陽子さん |
ライター
Creator's profile
広島県安芸郡海田町出身。
1977年広島県安芸郡海田町に誕生、近畿大学文芸学部卒業。
2001年上方講談師に入門し、講談を始め演芸に親しむ。
その傍らで文筆活動も2005年より開始。2019年から専業ライターに、2020年から演芸ウエブマガジン『寄席つむぎ』をスタート。
同年あど屋を開業。
特技は行動分析によるライティング。求人広告は応募率100%を誇る。どん底からのファンの作り方にも詳しい。
猫と神社、揚げ出し豆腐が好き。
関西の女性クリエイターの方に制作やデザインについてお話を伺うインタビュー企画。
第8回は元講談師で、現在はフリーランスのライターをされているふじかわ陽子さんにお話を伺いました。
本日はよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
早速ですが、まずは現在のお仕事についておうかがい出来ますでしょうか。
企業のオウンドメディアで、コラムや取材記事を執筆したり、求人広告や営業資料の作成をお手伝いしています。
あとはキュレーションサイトでコラムや取材記事の執筆もしています。『まいどなニュース』はYahoo!ニュースにも配信されているので、私の記事を目にしたことがある人がいるかもしれません。
過去には『shirabee』に寄稿した記事が3万以上シェアされたこともあるんですよ。『まいどなニュース』:大阪・神戸・京都を中心とする関西エリアの街ネタや、ネットで話題になっていることを、タイムリーに紹介しているニュースサイト
キュレーションサイトで長く執筆した経験を活かし、令和2年に演芸ウェブマガジン『寄席つむぎ』を開設
3万シェアってすごいですね。どのような内容だったんでしょうか?
『広島を訪れたら「絶対にやってはいけない」5つのこと』というタイトルです。
広島県ではお好み焼きを広島焼きと言ってはいけない。とか。
大阪では言いがちですけど、言ってはいけないんですね。
止めた方が良いですね。
うちの家族は広島出身なんですが、テレビで「広島焼き」と言っているのを見た親が、「ありゃいけんね」って言っていたのにヒントを得ました。
インタビュー記事は事前準備が大切
『まいどなニュース』のふじかわさんの記事を拝読しました。
猫に関する記事が多かったのですが、なぜ猫なんですか?
神戸新聞社から「保護猫に関する記事を」との依頼を受けて執筆しているんですよ。
なるほど。記事はどのように書かれているのでしょうか?
基本的には飼い主さんにインタビュー形式でお話をおうかがいして、その内容を記事にしています。
内容が濃いと感じたのですが、インタビュー時間はどのくらいかけられていますか?
インタビュー時間はだいたい1時間くらいですね。
1時間で終わるんですか!?
想像よりかなり短かったのですが、そのポイントはなんでしょう。
飼い主さんに事前に質問内容をお伝えしていることですね。
こちらが聞きたい質問事項はまとめて数日前にお渡しして、当日はそれを答えていただく形なのでスムーズに進むんです。
なるほど。準備が大切ということですね。
そうですね。あとはそれをまとめています。
写真は飼い主さんからデータをいただいて掲載しています。
自然体で表現し、伝えるための工夫を欠かさない
ふじかわさんの記事はコメントがついているものが多いですね。
そうですね。
企業のオウンドメディアのお仕事は別ですが、『広島を訪れたら「絶対にやってはいけない」5つのこと』のように個性を出す記事も多く書いてきているので、記事を見てファンになってくださった方もいらっしゃるんですよ。
それはすごいですね。
個性を出すコツ、ぜひ教えてください。
これといったものはないんですが、自分を隠さないことが一番かなって思います。
自分を飾り立てたり背伸びしたりせず、ありのままが一番かなと。
ただ、好きと言ってくださるファンができたら、逆の方も必ずいらっしゃるので、そこは考えて対策することが人気商売のコツかなと思いますね。
なるほど。勉強になります。
あと、ファンを作るという点でいうと、オウンドメディアや広告作成をご依頼のお客さまに対しても心掛けていることがありますよ。
たとえば、企業の求人広告の依頼があったとして、企業の方のお話をそのまま文章にしても、実際応募者は来ないことが多いんです。
そこは応募者に響くように工夫することで成果も違ってきますし、企業の担当者の方も依頼してよかったと言っていただけています。
外部パートナーとして、とことん支える
オウンドメディアや広告作成の依頼で大切にしていることはなんですか?
表現や伝え方には気をつけてますね。
求人広告だと、自分を高められる・とことん学べるなど、応募者視点で考えています。
そういえば昔、「伝わらなくてもいいから、この表現でいって欲しい。」と言われたことがあったのですが、そのときはお断りさせていただきましたね。
そのとおりにせずお断りしたのですか?
広告効果のないものにお金を払ってもらうのは心苦しいですから。
そもそも訂正せずそのまま進めるのであれば、外注する意味ってないと思うんです。
企業が「これを言いたい!」と思っていても、実は伝わりにくい場合があります。
そんなとき、ちゃんと意見することが大切だと考えています。
私はあくまで外注のライターとして、とことん支えたいと思っているので、言いにくいこともしっかりお伝えさせていただいてます。
本音でぶつかる。的なかんじでしょうか?
本音でぶつかるのとはちょっと違いますね。
企業は利益を上げるために活動しているので、私は外部の人間としてその活動をどうサポートできるかを一生懸命考えている感じです。
相手を知ることは重要
個人的に是非伺いたかったのですが、インタビューするときに心がけていることはありますか?
相手の情報を得られるだけ得てからのぞみますね。
事前に出来る限り集めるということでしょうか?
会社のホームページ、経営者や担当者のSNSアカウントは見られるところまで見る、会社の評判も調べる、といったことはもちろんします。
あとは実際にお会いして、服装や雰囲気をチェックする。
お話を伺いながら、話し方や性格の傾向も見てますね。
会った後も情報収集されているんですね。
そうですね。
「ここまで調べるの?!」というところまで調べるので、喜ばれることもあるんですけど、「ここまで調べられるなら」といってたまに丸投げされて困るときもありますよ。
ちなみにこれまでのインタビューで緊張したことはありますか?
ないですね。
もともと緊張するっていうことがあまりないので。
緊張しないんですね。
羨ましい限りですがどうすればそうなれますか?
考え方かもしれないですね。
たとえば、科学の分野で日本一偉い人がいるとするじゃないですか。
でも全国サンドイッチ作り選手権があったとして、多分その人は1位ではないんですよ。
何が言いたいかっていうと、全部の分野で完全1位の人は存在しないんですよ。
どの部分にスポットを当てるかで、その人の価値は変わるので、先入観みたいなものを無くせばいいんじゃないでしょうか。
出来そうでむつかしそうですね。
ちなみに本日インタビューされる側ですがいかがですか?
十数年ぶりやなーて思ってます。
話を聞いてもらえるのって何気に嬉しいんですよね。
表現の可能性
ライターとして大切にしていることはありますか?
嘘をつかない。誠実であること。目的を見失わないようにすること。が表現する上で大事かなと思います。
伝えたい事がブレたら、読み手側も混乱しちゃうから、伝えたい事は絶対ブレないようにしてます。
オウンドメディアや広告作成案件の場合はブランディングもしっかりと考えますね。
ブランディングも考えるんですか?
そうですね。
たとえば建築会社が飲食店も経営している場合、両方共通するものは何なのかを考えてご提案しています。
建築と飲食に共通する街づくりを通して、街を豊かにする企業はどうですか?とか。
こんなテーマはどうですか?こんな打ち出し方はどうですか?って、そんな感じで話をさせてもらっています。
最後に、ライターとしてやりがいを感じることはありますか?
色々ありますよ。
たとえば猫の記事でいうと、猫との触れ合いがメインテーマではあるけれど、猫とそのご家族がどういう絆で結ばれているかを伝えたいわけです。
で、インタビューを受けてくださったご家族が記事を読み返したとき、自分たちの仲の良さを再認識する。
その時にそれが実はものすごく尊いものであるということに気づいてもらえたら、すごく意義がありますね。
なるほど。文章を通して再認識されるんですね。
そうですね。
あと、やりがいじゃなくて思ってることでいうと、全人類が豊かな表現能力をつけられたら、割と平和になるんじゃないかと思ってます。
大袈裟なんですけどね。
全人類ですか!?
自分の置かれている状況を俯瞰で理解して、それを言語化して、必要な言葉を目的別に分けていく。
そうすると言葉の行き違いで喧嘩にもならないだろうし、調整もしやすいだろうと思うんです。
なので私はそのお手伝いができたらいいな、と思います。
本日はお話ありがとうございました!
この記事は2022年4日6日に行った取材を基に作成した記事となります。
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あど屋
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